連載 故郷福島の復興に想う 第20回――フクシマになった故郷福島――はじまり 谷本 多美子 2025.05.30 谷本多美子「故郷福島の復興に想う」 2011年3月11日は金曜日だった。曜日に特別な意味があるわけではないが、毎年三月の初旬に長年聴講生として学んでいた平塚の活水聖書学院では派遣式(卒業式)が行われた。この日の金曜日は私にとっては日にちと連動して忘れられない曜日となった。 時代の流れとともに、年々神学生の数は減ってはいたが
隔月連載 げんぱつあくぎょうはなし 第16回 西尾 漠 (アイキャッチ画像撮影=片岡遼平) 2025.05.23 西尾獏「げんぱつあくぎょうはなし」 α:3月11日、東電刑事裁判で被告の無罪が確定してしまった。β:東京電力福島第一原発事故の責任を問う裁判だね。異議申し立て期限の11日に断念されるのを見越して5日に決定を出したのではと思いたくもなるよ。 裁判は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故から1年後の6月、福島原発告訴団が第1次の告訴
連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 森川雅美「げんしのし」 げんしのし31 森川 雅美もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる水音を孕
連載文士刮目第48回【方言に見る能登有情 伊神権太(写真は、➊「能登はやさしや土までも」。能登の人々は老若男女ともに、どこまでもたくましく、かつやさしい=能登人間ものがたり(北陸中日新聞七尾支局編)から➋名古屋弁で能登を心配する人々も多い=名古屋名物「なごやべん」から】 2025.05.01 伊神権太「文士刮目」 だら(馬鹿)ほんながかいな(そうなんですか)どんならん(どうにもならない)どいね(それどうなの)おらっちゃ(私たち)どしとん(どうしているの)きのどくな(ありがとう)へしない(たいくつ)しったくさい(生意気)おっとろしい(怖い)… かつて新聞社の記者として能登半島の七尾にいたころ、【能登の方言】と