「東日本大震災追悼式 2023年3月11日(土) 未来への手紙」 報告 野武 由佳璃 (写真著者) 2023.06.22 ふたひらの戀文開く蝶の風 波高し揺れて片寄せ花筏 2018年3月11日の追悼式でタイムカプセルに入れた未来への手紙がポストに届けられた。 そこから5年の月日が流れた葉書は各参列者のもとへ。 そこに綴られたシラコバト団地に住む避難者の皆さんの想いが静かに発酵し、遥かな空へ立ち
「ウクライナの核危機 林京子を読む」に参加して 大嶋 岳夫 2023.06.15 歴史時代作家協会の集いで出会った森川雅美さんに、シンポジウム「いま文学者として何ができるか」に参加しないかと誘われた。 先達林京子氏といえば、文学賞を総なめするほど受賞していられるが、「ギヤマンビードロ」でだった、国からは受けないと賞を辞退された。実に骨のある方だ。シンポジウムにだから参加しよう
森詠の2023沖縄報告いま沖縄で何が進められているのか? 2023.03.26 一、2・26抗議集会 ロシアがウクライナに侵攻して一周年にあたる二月二十四日、私は沖縄の地を訪ねていた。 二月十一日「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」(共同代表ダグラス・ラミス)から、沖縄県庁前広場で開催される2・26集会に向けての緊急のアピールが出されていた。 ダグラス・ラミスは、元アメリ
まんまろの月や象牙の聴診器~林京子氏と文芸評論家黒古一夫氏の対談DVD作品上映会 野武 由佳璃 2022.12.01 ひんやりとした旧式の聴診器が肌にあたるたび火傷した皮膚が震える。1945年8月9日。被災者の身体に残された傷は記憶する。 長崎に原爆が落とされた日のことを皆は忘れない。さらに被爆することの意味をこの時理解できた人は何人いたであろうか。生きとし生けるものは皆焼かれ苦しみうめく人々の姿がそ
何故、私は戦争小説を書いてきたのか? 森 詠 2022.11.24 一、私の戦争小説 私は、これまでたくさんの「戦争小説」を書いてきた。あるいは、戦争や戦場にまつわる人間の物語やサスペンス、青春冒険小説である。私の小説のテーマは「戦争と人間」である。 なぜ、私は戦争小説を書くようになったのか? その理由の一つは、私が若いころ、中東をはじめとする世界各地の戦
北陸地方の電力事情 天瀬 裕康 2022.08.11 北陸地方といえば、普通は福井・石川・富山・新潟四県の総称ですが、奇妙なことがいろいろあります。福井県は主に北陸電力のエリアですが、前回述べた西の方は関西電力の範囲です。 北陸電力 Hokuriku Electric Power Company は富山市牛島町に本店を置く電力会社で、略称は「北電」
詩 プーチン殿とご一統へ 天瀬 裕康 2022.07.01 プーチン殿とご一統へ 天瀬裕康ロシア軍がウクライナに突如として攻め込んだのは たしか二〇二二年北京冬季オリンピック直後で パラリンピックの直前突然だったので驚きましたが 貴殿たちは言うかもしれませんチェチェン紛争以来 ジョージアやクリミアの先
赤い森と群青の海 谷本 多美子 2022.06.02 五月のゴールデンウィークに三年ぶりに故郷南相馬市に帰った。コロナ禍の中ではあったが、今年は蔓延防止法が出されていなかったので、思い切って出かけて行った。 今回の目的は、故郷に残っている親から相続した山林や畑を息子に伝えておく必要を感じたのと、三年間で故郷南相馬市がどのよ
本土復帰五十年の沖縄でウクライナを思う 森 詠 2022.05.20 五月十五日、沖縄は本土復帰五十年を迎える。その直前の四月、私は三年ぶりに沖縄を訪れていた。半世紀が過ぎ、沖縄はどう変わったのか、自分の目で確かめようと思っての旅だ。それに先立つ、二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、遠く離れた日本にいて、ウクライナの人々の惨状を沖縄戦の惨状に思い合