報告 たどり着いた街で~東日本大震災追悼式 野武 由佳璃 2024.04.25 三日月や眉描き終えて桜花俤(おもかげ)や浦の小面(こおもて)春めきぬ 2024年3月11日(月)に晴れ渡る空の下東日本大震災の追悼式が埼玉県上尾市の龍山院で行われた。 参列者は約30名ほど、「脱原発社会を目指す文学者の会」より詩人の森川雅美氏と野武由佳璃で参加した。 花々
報告「書く現場を語る」~上山明博文芸サロン「『牧野富太郎』を語る」 森川雅美 2024.03.28 来年のことをいうと鬼が笑うというが、昨年のことはどうなのだろう。 半年以上前、昨年の9月4日(月)18時から、第11回〝文学サロン〟「『牧野富太郎』を語る」が、当会会員のサイエンスノンフィクション作家上山明博さんを講師に開催された。上山さんは、同年3月に『牧野富太郎: 花と恋して九〇年』を青土社
福島の郷土の歴史を残すために 野武 由佳璃 2024.02.22 麗らかや潮騒を聴く空貝(うつせがい) 2019年(平成31年)3月9日の朝日新聞の"ひと"という欄が気になって切り抜きをした。 福島第一原発周辺の郷土史を編む歴史学者西村慎太郎氏の話題である。 彼は国文学研究資料館(東京都)の准教授で専門が日本近代史である。 著書に『大字誌浪江町権
映画評 津波裁判 を闘った人達”生きる” 野武 由佳璃 2024.02.01 ドキュメンタリー"生きる"が東工大の学生達の協力により昨年上映された。 これは宮城県石巻市で起きた津波の記録である。 2011年3月11日に起きた東日本大震災で宮城県の大川小学校は唯一校多数の犠牲者を出した。この大惨事を引き起こした理由を知りたい親達は石巻市と宮城県を被告にして
「東日本大震災追悼式 2023年3月11日(土) 未来への手紙」 報告 野武 由佳璃 (写真著者) 2023.06.22 ふたひらの戀文開く蝶の風 波高し揺れて片寄せ花筏 2018年3月11日の追悼式でタイムカプセルに入れた未来への手紙がポストに届けられた。 そこから5年の月日が流れた葉書は各参列者のもとへ。 そこに綴られたシラコバト団地に住む避難者の皆さんの想いが静かに発酵し、遥かな空へ立ち
「ウクライナの核危機 林京子を読む」に参加して 大嶋 岳夫 2023.06.15 歴史時代作家協会の集いで出会った森川雅美さんに、シンポジウム「いま文学者として何ができるか」に参加しないかと誘われた。 先達林京子氏といえば、文学賞を総なめするほど受賞していられるが、「ギヤマンビードロ」でだった、国からは受けないと賞を辞退された。実に骨のある方だ。シンポジウムにだから参加しよう
森詠の2023沖縄報告いま沖縄で何が進められているのか? 2023.03.26 一、2・26抗議集会 ロシアがウクライナに侵攻して一周年にあたる二月二十四日、私は沖縄の地を訪ねていた。 二月十一日「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」(共同代表ダグラス・ラミス)から、沖縄県庁前広場で開催される2・26集会に向けての緊急のアピールが出されていた。 ダグラス・ラミスは、元アメリ
まんまろの月や象牙の聴診器~林京子氏と文芸評論家黒古一夫氏の対談DVD作品上映会 野武 由佳璃 2022.12.01 ひんやりとした旧式の聴診器が肌にあたるたび火傷した皮膚が震える。1945年8月9日。被災者の身体に残された傷は記憶する。 長崎に原爆が落とされた日のことを皆は忘れない。さらに被爆することの意味をこの時理解できた人は何人いたであろうか。生きとし生けるものは皆焼かれ苦しみうめく人々の姿がそ