連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 げんしのし30森川 雅美 日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く、臓器の襞襞まで沁みる