報告「書く現場を語る」~上山明博文芸サロン「『牧野富太郎』を語る」 森川雅美 2024.03.28 来年のことをいうと鬼が笑うというが、昨年のことはどうなのだろう。 半年以上前、昨年の9月4日(月)18時から、第11回〝文学サロン〟「『牧野富太郎』を語る」が、当会会員のサイエンスノンフィクション作家上山明博さんを講師に開催された。上山さんは、同年3月に『牧野富太郎: 花と恋して九〇年』を青土社
連載 故郷福島の復興に想う 第16回――13回目の3・11 谷本 多美子(アイキャッチ画像 請戸の被災者慰霊碑) 2024.03.21 13回目の3・11が巡ってきた。年を経るごとに、記憶は薄れるどころか、言いようのない感情に襲われる。視覚から、聴覚から、情報は水のように入り込んできて、全身に積もってしまったようだ。 少し前から、メディアを通じて、東日本大震災の被災地の今、や被災者についての報道がされてきた。真っ先に、福島の原発
福島の郷土の歴史を残すために 野武 由佳璃 2024.02.22 麗らかや潮騒を聴く空貝(うつせがい) 2019年(平成31年)3月9日の朝日新聞の"ひと"という欄が気になって切り抜きをした。 福島第一原発周辺の郷土史を編む歴史学者西村慎太郎氏の話題である。 彼は国文学研究資料館(東京都)の准教授で専門が日本近代史である。 著書に『大字誌浪江町権
連載文士刮目 第32回 「嘆かわしい裏金問題 政治家たちよ、襟を正せ」 伊神 権太(写真:12月19日の強制捜査を報じた同日付の夕刊各紙) 2024.01.04 【安倍、二階派強制捜査 東京地検特捜部 パー券収入 不記載疑い 「裏金」議員関与解明へ 選挙に向けた資金に充当か 安倍派関係者示唆】(12月20日付中日新聞1面見出し)…… 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で12月19日、東京地検特捜部が強制捜査に入り、「政治とカネ」をめぐる問題にい
連載 故郷福島の復興に想う 第13回 ――カクテルパーティー 谷本 多美子 2023.11.23 東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故で、今なお立ち入り禁止の面積が62%(2023年2月現在)もある大熊町に、若い女性たちが移住し、毎月一回集まってカクテルパーティーを開いているという記事が、9月1日の朝日新聞朝刊2面に載っていた。「時時刻刻 大熊の誤算」とタイトルがついていた。サブタイトルには
書評 詩による評伝~天瀬裕康詩集『林京子の反核世界』 谷本 多美子 2023.10.12 『林京子の反核世界』天瀬裕康著2023年2月1日発行溪水社1,320円+税dav 天瀬裕康氏の、『林京子の反核世界』は、林京子と核状況下の現状について、三章からなる「詩による評伝」と前書きにある。以前天瀬氏より、俳句、短歌、漢詩、自由詩で3.11から10年を詠んだ混成詩『麗しの福島
連載 郷福島の復興に想う 第9回 故郷福島の復興に想う――IAEAとは? 谷本 多美子(アイキャッチ画像 福島県災害復興祈念公園建設予定地) 2023.07.27 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から12年が経った。この12年間、復興という言葉だけが先行しているように感じ、それは今も続いている。確かに震災直後の生々しい様子は見られなくなってきたが、毎回帰省するたびにインフラが整備されていく故郷を見て、いったい誰が、誰のために、莫大な税金を投入して、人
「東日本大震災追悼式 2023年3月11日(土) 未来への手紙」 報告 野武 由佳璃 (写真著者) 2023.06.22 ふたひらの戀文開く蝶の風 波高し揺れて片寄せ花筏 2018年3月11日の追悼式でタイムカプセルに入れた未来への手紙がポストに届けられた。 そこから5年の月日が流れた葉書は各参列者のもとへ。 そこに綴られたシラコバト団地に住む避難者の皆さんの想いが静かに発酵し、遥かな空へ立ち