連載 原発の蔭と影第15回 明るさと熱と動力源(中国電力序章) 天瀬 裕康 2024.01.18 まず歳旦のご挨拶から申し上げるところですが、今年は元日の午後4時10分頃から石川県の能登半島の先端にある輪島市の東北東30キロ、深さは暫定値で16キロあたりを震源とし、震度7で規模はマグニチュード7・6と推定される大型地震が発生し、現在も死者が増えつつありますので、お祝いの言葉は遠慮させて頂きま
連載 原発の蔭と影第14回 福島県の避難者支援体制 天瀬 裕康 2023.12.14 ひろしま避難者の会「アスチカ」からの郵便物の発送元には<福島県外避難者生活再建支援拠点 島根県・広島県・山口県担当>と印刷してあります。そして2021年に発行された『広島に避難してきた私たち』には、福島県県外避難者帰還・生活再建支援補助金を受けて発行した、と記してあります。ここに述べようとしている
連載 原発の蔭と影第13回 九州電力と川内原発 天瀬 裕康 2023.11.16 前回は玄海原発を主体のお話でしたが、長さの関系で電力の鬼・松永安左エ門(やすざえもん)(正式には安左衛門)のことは割愛しました。そこで今回は電力事業の発展と彼のことから始め、川内(せんだい)原発関連事項へと話を進めてまいりましょう。 松永安左エ門(1875~1971)は長崎県壱岐の裕福な
連載 原発の蔭と影第12回 九州電力と玄海原発 天瀬 裕康 2023.10.19 しばらく休んでいた電力会社と原発の話に戻しましょう。 北海道から始め中部電力まで下がってきましたが、関西電力は3回ほど書きましたので四国を予定したところ、これも「会員の原稿」として「瀬戸内海を死の海にするな! 伊方原発の場合」を書いておりました。広島の中国電力は少し詳しく書きたいので後に回し、九
連載 原発の蔭と影第11回 「チームふくしま」の活動と広島 天瀬 裕康 2023.09.14 前々回、つまり<連載>の第9回におきましては、<福島への移住者>と題して「福島ひまわり里親プロジェクト」(以下、プロジェクトと略す)のことや、「チームふくしま」の半田真仁(しんじ)理事長についての概略をご報告しました。 そこで今回はチームのプロジェクト以外のいろいろな仕事・社会貢献や、「チームふ
連載 原発の蔭と影第10回 シリアでゲンが 天瀬裕康 2023.08.17 去る8月4日から6日の3日間、広島市中区袋町の小さなギャラリーにおいて、原子炉が爆撃され、内戦と大地震で苦しむシリア北西部で活躍してきた「希望の筆(リーシャト・アマル)」という男女4人のアーティスト・グループが、倒壊した瓦礫に「はだしのゲン」を描いている、パネル展が開かれました。 主催し
連載 原発の蔭と影第9回 福島への移住者 天瀬 裕康 2023.07.20 このシリーズの発端は、紙の会報時代に書いたアスチカ(福島から広島への避難者の会)の近状報告でした。その後は岡山県や山口県の避難者の会に触れ、各地の原発へと筆をすすめてきたのですが、逆に福島へと転居された人もおられるはずです。今回はそうした一人に焦点を当てたいと思いますが、それはふとした縁から始ま
連載原発の蔭と影第8回 G7広島サミットと核問題 天瀬 裕康 2023.06.15 去る5月の19日(金)から21日(日)まで、異様とも思える厳重な警戒のもと広島で開かれた先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)は、大きな事故・事件の起きることなく終了し、政府与党は大成功と褒めちぎり、岸田首相の支持率は上昇しましたが、これは、とんでもないことだったのです。 この会議が広島で開催と決ま
連載 原発の蔭と影 第7回 中部電力の強引な姿勢 天瀬 裕康 2023.05.18 北海道から始まり東北関東が少し長くなりましたので、東海・中部へと下がってみましょう。 私は名古屋とは多少の縁があります。大学院時代は組織培養に関して名大医学部日比野内科と交流があり、勤務医時代には心電図自動解析の件で名古屋の検診センターを頻回に訪れたものですが、名古屋の人たちのプロ野球・中日ドラ
連載 原発の蔭と影 第6回 茨城も危険、ご注意を 天瀬 裕康 2023.04.20 日本赤十字国際人道研究センターが発行している『人道研究ジャーナル』の第12巻(2023年2月)に、大阪学院大学の真山全教授による「露ウクライナ戦争における原子力発電所攻撃の国際人道法上の評価」という論考が載っています。 要旨を述べると、稼働中の大出力原発に対する攻撃はザポリージャ発電所に対するも