連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 森川雅美「げんしのし」 げんしのし30森川 雅美 日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く、臓器の襞襞まで沁みる
書評 怖い透視と想念の詩集~森川雅美詩集『疫病譚』 天瀬 裕康 2023.09.07 書評一覧 詩集『疫病譚』森川雅美著2023年6月30日発行はるかぜ書房2,000円+税 当会会員の森川雅美氏はすでに名のある詩人だ。三詩型交流企画「詩歌梁山泊」の代表で、活動の一環として「詩客SHIKAKU」を立ち上げており、「日歴史時代作家協会」理事でもある。詩集も5冊出版しており、『日録
黒田杏子さんのこと① 森川 雅美 2023.08.04 黒田杏子 3月18日突然の訃報が新聞に掲載される。俳人黒田杏子さん急逝の記事。私は2年ほど前に黒田さんを俳句の師と定めていたため、突然の死は大変ショックだった。11日に山梨県で「飯田龍太」に関する講演をし、翌日甲府市内で倒れ入院し、13日には帰らぬ人となった。 俳句結社「藍生」を主宰し、現在最も活躍してい