連載 故郷福島の復興に想う 第20回――営農 谷本 多美子(アイキャッチ画像 原発事故により原町区に移転した双葉町玉野家の墓地) 2025.03.27 連載 昨年末(2024年)故郷南相馬市の同じ集落の一人の男性Hさんから電話があった。筆者が若い時分に故郷を後にしてから、婚姻によってH家の家族となった方なので面識はなかった。話の内容は、東日本大震災、続く東京電力福島第一原発の爆発事故以来、放置されていた農地の一部を耕作し、近い将来水稲を栽培することに
連載 故郷福島の復興に想う 第19回――復興か破壊か 谷本 多美子(アイキャッチ画像 無人になった大堀窯元) 2025.02.27 未分類 2025年を迎えた。昨年は元旦から能登半島地震のニュースが流れ、日本中に衝撃が走った。今年は新年など来なくていいと思っているうちに、容赦なく時間は巡ってきた。さらに1年の2か月が過ぎようとしている。そして間もなく14回目の3.11が巡ってくる。 年が明けてほどなく、芥川賞と直木賞の発表を
連載 故郷福島の復興に想う 第10回 ――大熊町町長に会って 谷本 多美子 2023.08.24 連載 夜になっても気温が下がらない、7月のある夕刻、都心部にあるホテルに大熊町町長吉田淳氏の話を聞きに行った。前回の通産省参事官の時と同様、福島県人会の企画による講演会だった。 冒頭、町長は自己紹介を短くする。東日本震災・福島第一原発爆発事故前は大熊町の職員であったこと、震災、原発爆発事故当時は直接避
連載 郷福島の復興に想う 第9回 故郷福島の復興に想う――IAEAとは? 谷本 多美子(アイキャッチ画像 福島県災害復興祈念公園建設予定地) 2023.07.27 未分類 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故から12年が経った。この12年間、復興という言葉だけが先行しているように感じ、それは今も続いている。確かに震災直後の生々しい様子は見られなくなってきたが、毎回帰省するたびにインフラが整備されていく故郷を見て、いったい誰が、誰のために、莫大な税金を投入して、人
連載 郷福島の復興に想う 第8回 トリチウムはやはり海洋放出すべきではない 谷本 多美子(アイキャッチ画像 2023年5月汚染水が排出されようとしている太平洋) 2023.06.22 連載 朝日新聞が朝刊の社会総合面に5月30日から5回に亘って、東電福島第一核発電所の処理水が、地元住民の理解が得られないまま、夏に海洋放出が迫っている現状を報道していた。内容をかいつまんでいうとざっと以下のようになる。 今年2月下旬、県立相馬総合高校新地校舎で、「廃炉とアルプス処理水について考
連載 故郷福島の復興に想う第7回 故郷福島の復興に想う――汚染水? 処理水? 谷本 多美子(アイキャッチ画像 請戸漁港の大漁船 2023年5月4日) 2023.05.25 連載 東京の桜が見頃になった3月のある日、都内の某ホテルで「福島原発における廃炉・汚染水・処理水の問題について」、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ 参事官 宮下正巳氏の話があるというので聞きに行った。専門的なことはわからないが、レジュメを見ながら説明を受けて、正直不安は残った。 汚染水の前に、福
連載 故郷福島の復興に想う第6回 故郷福島の復興に想う――国策とは 谷本 多美子 2023.04.27 連載 3月に入り故郷南相馬市の集落の代表から立て続けに訃報が届いた。2011年3月11日以降、集落の住民の方が亡くなると代表を通して必ず連絡は来るが、筆者は遠方ゆえ葬儀に参列することは叶わない。本来なら、集落のどこかで不幸があると、各戸から一人ずつ手伝いに行く習わしになっていた。原発事故以後集落の人々
連載 故郷福島の復興に想う第5回 請戸小学校物語 谷本 多美子 2023.03.23 連載 2023年2月20日の朝日新聞朝刊に「またこの場所で」と題して東日本大震災、原発事故で大きな被害を受けた浪江町請戸の苔野(くさの)神社で開かれた、豊漁と豊作を祈る安波祭(あんばまつり)りの記事が載っていた。請戸地区の多くは災害危険区域に指定され人が住めなくなっているが、2月19日はゆかりの人々が