書評 貴婦人の指青白き敗戦忌~天瀬裕康詩集『閃光から明日への想い—―我がヒロシマ年代記 my Hiroshima Chronicle』 野武 由佳璃 2023.08.31 会員の著書 詩集『閃光から明日への想い—―我がヒロシマ年代記 my Hiroshima Chronicle』天瀬裕康著2023年8月6日発行コールサック社1,600円+税貴婦人の指青白き敗戦忌 野武由佳璃廃墟過ぎて蜻蛉の群れを眺めやる 原民喜原爆ドーム(著者撮
連載 故郷福島の復興に想う 第10回 ――大熊町町長に会って 谷本 多美子 2023.08.24 連載 夜になっても気温が下がらない、7月のある夕刻、都心部にあるホテルに大熊町町長吉田淳氏の話を聞きに行った。前回の通産省参事官の時と同様、福島県人会の企画による講演会だった。 冒頭、町長は自己紹介を短くする。東日本震災・福島第一原発爆発事故前は大熊町の職員であったこと、震災、原発爆発事故当時は直接避
第11回〝文学サロン〟 『牧野富太郎』を語る 上山 明博(ノンフィクション作家) 2023.08.18 NEWS 今年のNHK連続小説「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎。ドラマ化発表以前の2021年より取材を開始した著者は、牧野博士に関する膨大な資料を渉猟し精査する一方、生まれ故郷の高知・佐川から終の棲家となった東京・練馬の居宅跡まで、関係各所を訪ねた。そうした2年におよぶ丹念な取材調査を通して
連載 原発の蔭と影第10回 シリアでゲンが 天瀬裕康 2023.08.17 連載 去る8月4日から6日の3日間、広島市中区袋町の小さなギャラリーにおいて、原子炉が爆撃され、内戦と大地震で苦しむシリア北西部で活躍してきた「希望の筆(リーシャト・アマル)」という男女4人のアーティスト・グループが、倒壊した瓦礫に「はだしのゲン」を描いている、パネル展が開かれました。 主催し
黒田杏子さんのこと① 森川 雅美 2023.08.04 故人を偲ぶ 3月18日突然の訃報が新聞に掲載される。俳人黒田杏子さん急逝の記事。私は2年ほど前に黒田さんを俳句の師と定めていたため、突然の死は大変ショックだった。11日に山梨県で「飯田龍太」に関する講演をし、翌日甲府市内で倒れ入院し、13日には帰らぬ人となった。 俳句結社「藍生」を主宰し、現在最も活躍してい
連載文士刮目 第27回 「最後の一滴まで」。原発処理水の海洋放出や、いかに 伊神 権太(アイキャッチ画像:「住民説明・意見交換会で「他に方法はないのか」と詰め寄る市民) 2023.08.03 連載 7月12日。東京八王子市で記録したこの夏のその日までの段階での全国最高の暑さは、39.1度。各メディアとも危険な暑さだ、と警告。これより1日前の7月11日には全国57地点で猛暑日を記録。この日は、東北から九州の広い範囲で気温が上昇。気象庁が熱中症警戒アラートを20道県に発令。