おもいで 北久保 まりこ 2024.01.06 240108075617487酌み交はす和やかな輪に旅立ちし人も加はる信濃追分 しなの鉄道の小さな駅から散歩がてら行った所に、ひっそりとした蕎麦屋がある。 お姉さんに、胡桃蕎麦と冷酒をたのむと「明鏡止水、ありますよ」。無愛想ながら私の好みを覚えていた。 静かに注がれ、表面張力をこえ
森と海のあるところ 加賀乙彦氏を想いながら 野武 由佳璃 2023.05.25 加賀乙彦氏を想いながら、南米チリの友人レイナルド ピネーダの唄を少しだけ紹介します。 森に棲む小さきものたちの声が大きな波となって、世界を変える。そんな願いを込めて。"森と海のあるところ" 森がある 海がある 君の身体に描かれる その額に広がる もう一度生まれ直す なにか 僕
励ましと、お叱りと 広谷 鏡子 2023.04.06 加賀乙彦さんのことを、私は一方的に「恩人」と思ってきました。ほろ苦いエピソードをご紹介します。 もう30年近くも前、私は大学時代に初めて書いた小説を改稿して、ある文芸誌の新人賞に応募し、どういうわけか最終選考に残りました。審査員の一人が加賀さんでした。その小説は「箸にも棒にもかからない」ものだっ
加賀乙彦さんを悼む 深澤 忠利 2023.02.16 心より哀悼の意を表します。 会にご縁ができてはや十年になります。先生の著作の帰らざる夏~他の作品も何度か手に取らさせて頂きました。脹大で重厚なテーマ名作に少しでも触れました ことは幸運でした。作品から先生の偉大な存在感が私を圧倒させて近寄りがたい存在となってしまいました。只ひとつ、先生と忘れられ