連載自由詩 げんしのし33 森川 雅美 2025.10.09 ふっくらと広がっていく光の粒粒の呼吸にゆるく傾き、生命の傷から溢れる深い流れのいく筋も輻輳し重なり、無数の支流をなお孕みつつ織りなされる縄に似た強い、生命の傷から溢れる深い流れの起伏となる艶めく方に、連呼する声の無数の乱反射の奥にまでいつまでも晒し、
連載自由詩 げんしのし32 森川 雅美 2025.10.09 げんしのし32森川 雅美静かになっていく体の内側からの囁きを小さく転がす、生命の傷から溢れる深い流れの遥か彼方にまで広がる、意識を深部から揺さぶるまだ知らぬ脈動の細部に運ぶ、生命の傷から溢れる深い流れの傷んだ骨髄に滲みこむ、鈍い痛みに
文士刮目の連載53回目 自民総裁選「日本の顔」に期待するもの、とは 伊神 権太(写真(フロント)は5氏の争いを報じた新聞各紙) 2025.10.03 石破茂首相の退陣表明を受けての自民党総裁選が9月22日に告示され、小林鷹之元経済安全保障担当相(50)、茂木利光前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進二郎農相(44)の5氏が出馬、総裁選の勝者が一体誰になるのか。国民の注視を浴びています(新総裁は10月4日
文士刮目の連載52回目【傷だらけの〝極端社会〟到来に言葉(表現)の大切さを思う なぜ? (写真は➊➋この夏、連日のように報道された〝危険な暑さ〟❸ガザでは、今もなお何の罪もないこどもたちの命が心配されている=いずれもNHK画面から】 2025.09.05 最近、水害や台風、地震など災害の頻度が増すにつれ、NHKテレビやラジオなどでしばしばアナウンサーから耳にする、気になる表現、ことばの繰り返しがあります。そして。これらの言葉は年々増す気候の悪化にも原因があり、私たち市民の茶の間、日常生活の中にも飛び込むようにして流れてくるのです。怒濤となって-とい
文士刮目の連載51回目【参院選の自民大敗に思う】(写真は➊「自公過半数割れ」を報じた新聞各紙➋国会の新勢力図=中日(東京)新聞から) 2025.08.01 参院選が終わり、目の前に突きつけられた選挙結果は【自公過半数割れ 参院も少数与党 首相続投「政治停滞させず」】【全議席確定 自公大敗47、立民横ばい22】(7月22日付の中日新聞朝刊)【自公過半数割れ 参院も少数与党に 47議席 多極化鮮明】(同毎日新聞朝刊)といった、自民にとってはまさに「進むも
文士刮目の連載50回目【能登半島地震の支援コンサートを終えて。「地方は宝」の心を大切にしたい(写真は、➊輪島市門前町内の仮設住宅ステージで行われた大正琴による復興支援コンサート➋被災地の多くの人々が耳を傾けた❸被災者らによる地元バンドの友情出演も ※ネットで「大正琴の音色で元気を届ける」を検索すれば、石川テレビのニュース映像を見られます】 2025.07.04 2024年元日に起きた能登半島地震とその後の豪雨水害に泣いたかつての私の任地、石川県能登半島を訪問。琴伝流大正琴弦洲会の皆さんによる「能登半島地震の震災復興支援コンサート~あの日 あの時 あの歌が~】を輪島市の仮設団地、道下第1団地(270戸)の集会所仮設ステージで行ってきた。当日(6月15日)は
文士刮目の連載49回目【コメ問題 大切にしたい「ことばの重み」伊神権太(写真は江藤農相更迭を報じた新聞各紙)】 2025.06.06 前回はその土地ならでは、地方文化の代弁者と言ってもよい「方言」に焦点をあてましたが今回は人それぞれ人生のかじ取りに役立ち、生かされるといおうか。その時々の人生、いや行く手の羅針盤と言ってもよいことばの「重み」「壁」について考えてみたい。 デ、最初に頭に浮かんだのが、江藤拓前農相のコメ発言です。彼
連載 故郷福島の復興に想う 第20回――フクシマになった故郷福島――はじまり 谷本 多美子 2025.05.30 2011年3月11日は金曜日だった。曜日に特別な意味があるわけではないが、毎年三月の初旬に長年聴講生として学んでいた平塚の活水聖書学院では派遣式(卒業式)が行われた。この日の金曜日は私にとっては日にちと連動して忘れられない曜日となった。 時代の流れとともに、年々神学生の数は減ってはいたが
隔月連載 げんぱつあくぎょうはなし 第16回 西尾 漠 (アイキャッチ画像撮影=片岡遼平) 2025.05.23 α:3月11日、東電刑事裁判で被告の無罪が確定してしまった。β:東京電力福島第一原発事故の責任を問う裁判だね。異議申し立て期限の11日に断念されるのを見越して5日に決定を出したのではと思いたくもなるよ。 裁判は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故から1年後の6月、福島原発告訴団が第1次の告訴
連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 げんしのし31 森川 雅美もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる水音を孕