連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 げんしのし31 森川 雅美 もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る 者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる 灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる
連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 げんしのし30 森川 雅美日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く