げんしのし35 森川 雅美 2025.11.13 げんしのし35 森川 雅美薄く削がれる鼓動の輪郭をなぞる今生の反射する指を、生命の傷から溢れる深い流れの絶え間なくなお溢れよ、と重なる静かな歩幅の内まで拡がる掠れた残像の階も、生命の傷から溢れる深い流れの隙間に覗く幾つもの顔、に綴られる歩幅をゆるく加える高低にやや傾く響きと
連載自由詩 げんしのし34 森川 雅美 2025.11.13 げんしのし34 森川 雅美丁寧に洗われた骨に似た小さな境界を越える緩やかな、生命の傷から溢れる深い流れの見えない彼方に続いた、重なる消えかけた声に訪れる思いもよらぬ弱い光なら、生命の傷から溢れる深い流れの僅かな起伏の滑らかさ、を孕む弱まる祈りの素形になる堆積物のより深い層か
連載自由詩 げんしのし33 森川 雅美 2025.10.09 ふっくらと広がっていく光の粒粒の呼吸にゆるく傾き、生命の傷から溢れる深い流れのいく筋も輻輳し重なり、無数の支流をなお孕みつつ織りなされる縄に似た強い、生命の傷から溢れる深い流れの起伏となる艶めく方に、連呼する声の無数の乱反射の奥にまでいつまでも晒し、
連載自由詩 げんしのし32 森川 雅美 2025.10.09 げんしのし32森川 雅美静かになっていく体の内側からの囁きを小さく転がす、生命の傷から溢れる深い流れの遥か彼方にまで広がる、意識を深部から揺さぶるまだ知らぬ脈動の細部に運ぶ、生命の傷から溢れる深い流れの傷んだ骨髄に滲みこむ、鈍い痛みに
連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 げんしのし31 森川 雅美もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる水音を孕
連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 げんしのし30 森川 雅美日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く