文士刮目の連載50回目【能登半島地震の支援コンサートを終えて。「地方は宝」の心を大切にしたい(写真は、➊輪島市門前町内の仮設住宅ステージで行われた大正琴による復興支援コンサート➋被災地の多くの人々が耳を傾けた❸被災者らによる地元バンドの友情出演も ※ネットで「大正琴の音色で元気を届ける」を検索すれば、石川テレビのニュース映像を見られます】 2025.07.04 伊神権太「文士刮目」 2024年元日に起きた能登半島地震とその後の豪雨水害に泣いたかつての私の任地、石川県能登半島を訪問。琴伝流大正琴弦洲会の皆さんによる「能登半島地震の震災復興支援コンサート~あの日 あの時 あの歌が~】を輪島市の仮設団地、道下第1団地(270戸)の集会所仮設ステージで行ってきた。当日(6月15日)は
文士刮目の連載49回目【コメ問題 大切にしたい「ことばの重み」伊神権太(写真は江藤農相更迭を報じた新聞各紙)】 2025.06.06 伊神権太「文士刮目」 前回はその土地ならでは、地方文化の代弁者と言ってもよい「方言」に焦点をあてましたが今回は人それぞれ人生のかじ取りに役立ち、生かされるといおうか。その時々の人生、いや行く手の羅針盤と言ってもよいことばの「重み」「壁」について考えてみたい。 デ、最初に頭に浮かんだのが、江藤拓前農相のコメ発言です。彼
連載 故郷福島の復興に想う 第20回――フクシマになった故郷福島――はじまり 谷本 多美子 2025.05.30 谷本多美子「故郷福島の復興に想う」 2011年3月11日は金曜日だった。曜日に特別な意味があるわけではないが、毎年三月の初旬に長年聴講生として学んでいた平塚の活水聖書学院では派遣式(卒業式)が行われた。この日の金曜日は私にとっては日にちと連動して忘れられない曜日となった。 時代の流れとともに、年々神学生の数は減ってはいたが
隔月連載 げんぱつあくぎょうはなし 第16回 西尾 漠 (アイキャッチ画像撮影=片岡遼平) 2025.05.23 西尾獏「げんぱつあくぎょうはなし」 α:3月11日、東電刑事裁判で被告の無罪が確定してしまった。β:東京電力福島第一原発事故の責任を問う裁判だね。異議申し立て期限の11日に断念されるのを見越して5日に決定を出したのではと思いたくもなるよ。 裁判は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故から1年後の6月、福島原発告訴団が第1次の告訴
連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 森川雅美「げんしのし」 げんしのし31 森川 雅美もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる水音を孕
連載文士刮目第48回【方言に見る能登有情 伊神権太(写真は、➊「能登はやさしや土までも」。能登の人々は老若男女ともに、どこまでもたくましく、かつやさしい=能登人間ものがたり(北陸中日新聞七尾支局編)から➋名古屋弁で能登を心配する人々も多い=名古屋名物「なごやべん」から】 2025.05.01 伊神権太「文士刮目」 だら(馬鹿)ほんながかいな(そうなんですか)どんならん(どうにもならない)どいね(それどうなの)おらっちゃ(私たち)どしとん(どうしているの)きのどくな(ありがとう)へしない(たいくつ)しったくさい(生意気)おっとろしい(怖い)… かつて新聞社の記者として能登半島の七尾にいたころ、【能登の方言】と
<連載>原発の蔭と影 第30回(最終) 沖縄の電力事情 天瀬裕康 2025.04.15 天瀬裕康「原発の影と陰」 日本の南西端に拡がる沖縄県(人口約140万人)は、東西1000Km、南北400Kmの広大な海域に点在する、大小約160の島々から構成される島嶼県で、電力会社兼一般送配電事業者である沖縄電力㈱が、沖縄本島及び36の有人離島に電力を安定供給しております。 電力の歴史は1910(明治43)年12月に、
連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 森川雅美「げんしのし」 げんしのし30 森川 雅美日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く
連載文士刮目第47回【気楽に10万円なんて 首相商品券に異議あり 伊神権太(写真は、3月19日付の中日新聞1面の<言の葉>とガザ攻撃再開の記事】 2025.04.03 伊神権太「文士刮目」 東日本大震災と東電福島第1原発事故から14年がたった2025年3月。旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)に対する東京地裁の解散命令やイスラエル軍によるガザへの攻撃再開、岩手県大船渡市、さらには岡山市や愛媛県今治市でも燃え続けた山火事、米トランプ大統領による日本を含む輸入自動車に対する25%の追加関
連載 故郷福島の復興に想う 第20回――営農 谷本 多美子(アイキャッチ画像 原発事故により原町区に移転した双葉町玉野家の墓地) 2025.03.27 谷本多美子「故郷福島の復興に想う」 昨年末(2024年)故郷南相馬市の同じ集落の一人の男性Hさんから電話があった。筆者が若い時分に故郷を後にしてから、婚姻によってH家の家族となった方なので面識はなかった。話の内容は、東日本大震災、続く東京電力福島第一原発の爆発事故以来、放置されていた農地の一部を耕作し、近い将来水稲を栽培することに