連載自由詩 げんしのし36 森川 雅美 2025.12.15 連載 げんしのし36 森川 雅美静かに終わりいく風の方角であるなら深奥から尽きる、道であるのかと崩れていく体の内側へと沈潜する方へ、幾重にも重なる確かでない記憶を辿りつつ弱まるなら、ぼろぼろと剥がれる表皮のうすい破片に絡まる刹那を、掴み損ねる風下に深く淀む汚れた悲しみの腫瘍を漂い