励ましと、お叱りと 広谷 鏡子 2023.04.06 加賀乙彦 加賀乙彦さんのことを、私は一方的に「恩人」と思ってきました。ほろ苦いエピソードをご紹介します。 もう30年近くも前、私は大学時代に初めて書いた小説を改稿して、ある文芸誌の新人賞に応募し、どういうわけか最終選考に残りました。審査員の一人が加賀さんでした。その小説は「箸にも棒にもかからない」ものだっ