連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 森川雅美「げんしのし」 げんしのし31 森川 雅美 もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る 者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる 灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる
連載自由詩 げんしのし30 森川 雅美 2025.04.12 森川雅美「げんしのし」 げんしのし30 森川 雅美日没の空の少しずつ暗さの拡がり山の稜線だけうすく、明るさを残す時間だったのかと右足の指から遠くなり、血液の激しく流れ揺れ続ける体内の歪な膨らみの痛く、さらに分散してしまうからもはや考えられない水面へ、拡がる神経の風向きの方へ追われる小さな中庭の疼く
書評 怖い透視と想念の詩集~森川雅美詩集『疫病譚』 天瀬 裕康 2023.09.07 書評一覧 詩集『疫病譚』森川雅美著2023年6月30日発行はるかぜ書房2,000円+税 当会会員の森川雅美氏はすでに名のある詩人だ。三詩型交流企画「詩歌梁山泊」の代表で、活動の一環として「詩客SHIKAKU」を立ち上げており、「日歴史時代作家協会」理事でもある。詩集も5冊出版しており、『日録