連載自由詩 げんしのし31 森川 雅美 2025.05.16 森川雅美「げんしのし」 げんしのし31 森川 雅美 もっともっと光の沸点まで近づいていく体の先端へと、吊るされる歪んだ多くの地図を抜けていく残る 者達の、忘れかけた悲しみの泡立つ底知れぬ亀裂の暗い奥底も、覗かれている小さな掌の辿る傷となる 灯される狭間と、引き寄せる飛翔のため揺れる