第9回 忘れない 忘れられない 2022.02.01 連載 1月17日。6434人の命が犠牲となった1995年の阪神大震災の発生から27年となり私自身、当時ガレキの山を縫うようにしてバスと船、徒歩で廃墟の町と化した傷だらけの現場を歩いて回ったことを思い出します。その被災地でことしは新型コロナウイルスの感染対策でマスクをした市民らが各地で開かれた追悼行事に
関電の黒いもろもろ ①美浜原発 2022.01.26 天瀬裕康 前回は福井県内にある日本原電源について述べましたが、福井県内には関西電力の原発が三カ所に立地しています。美浜、大飯、高浜の三カ所で、商業運転を始めたのは美浜 が最も早いく、1970年11月28日です。三つの中で早いだけではなく、日本の電力会社の中で最初の原子力発電所だったのです。 これには関電
第8回 待つということ 夢と希望を求めて 2022.01.01 連載 新しい年が明けました。ことしは五黄の寅年で36年に一度の金運奇跡の年とかで、あやかりたい気持ちは同じかと思います。でも金運よりも、私たちにとって大切なことがあります。年の初めに当たって、それは努力をして【待つ】ということではないでしょうか。新しい夢と希望、期待に満ちた時代を共に待ってみようではあ
日本原子力発電(原電)の欺瞞癖 2021.12.16 天瀬裕康 原子力を利用するさいの安全を確保する原子力規制委員会は、去る8月18日の定例会合で、敦賀(つるが)2号機再稼動の前提となる、審査の中断を決めました。審査資料に不適切な書換えがあったからです。 福井県敦賀市にある2号機原子炉建屋直下の断層が、活断層か否かは大きな焦点でした。若狭湾・敦賀湾の浦底断層
第7回 何ごとも持続可能は〝三方よし〟の精神で 2021.12.01 連載 このところは国連が掲げる持続可能な17の開発目標、SDGs(エス・ディー・ジーズ)運動の喚起啓蒙が社会現象になってきたような気がします。そのSDGs実現のためには何よりも先に「みんなが持続可能な生き方をし、誰ひとり取り残されない」ことの大切さも強調されています。最近では、これらと連動するように「
瀬戸内海を死の海にするな! 伊方原発の場合 2021.11.12 天瀬裕康 2021年11月4日、四国電力株式会社(以下、四電と略)の伊方(いかた)原発3号機の運転差し止めの仮処分申請が、広島地裁で却下され運転が認められました。仮処分とは、長い裁判手続きが終わるまでの仮の措置のことです。 瀬戸内海に面した愛媛県西端のこの原発は、私が住んでいる広島県沿岸部西南端の大竹市か
第6回 新しい時代とは。忘れないで、思いやりの心 2021.11.01 連載 最近ことあるごとに叫ばれる。新しい時代って。何か。 昨年4月7日に東京、神奈川、埼玉など七都府県に最初に出されて以降、繰り返し全国各地で出されてきた新型コロナウイルスの感染化拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され皆さん、誰もがホッとされたのでは。時を同じくして岸田文雄第百代首相(自民党総裁)が誕生
首相の核観とブレを嘆く 2021.10.14 天瀬裕康 2021(令和3)年10月14日、もう秋の真ん中なのに厳しすぎる残暑の続く午後、衆議院は本会議で解散され、その後の臨時閣議で衆院選の日程が、19日公示・31日投開票と決まりました。 私は選挙運動をするつもりはありません。久しぶりに総理大臣が出たということで、広島の街はなにかとお祝いムードですが、
第5回「脱炭素化」への取り組み 出来ることから始めよう 2021.10.01 連載 今回は人類にとっての最大テーマ、脱炭素化社会実現への私たちの取り組みについて。このところ、世界中で2050年の「実質ゼロ」、脱炭素社会をめざし、2030年に実現のめどをつけようとの動きが広がりつつあります。日本でも菅義偉首相が昨年10月の所信表明演説で2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにす
反核の児童文学作家・那須正幹氏への悼辞 2021.09.10 天瀬裕康 反核・反戦の児童文学者で作家の那須正幹(なす・まさもと)氏が、去る7月22日、自宅のある山口県防府市の病院において、肺気腫で逝去されました。享年79歳。 那須氏は1942年、広島市生まれ。3歳の時、爆心地から3キロ地点の広島市庚午北町(現・西区)に在った自宅で、母親の背中に負ぶさったまま被爆しま