隔月連載 げんぱつあくぎょうはなし 第7回 西尾 漠 (アイキャッチ画像撮影=片岡遼平) 2023.11.16 連載 α:福島事故の汚染水海洋放出が続いている。β:「問題なし」と放出のたびに繰り返されてるけど、すぐに目に見える影響が出てくるはずもない。出てくるようなら、とんでもない事件だよ。東京電力が発表しているように、汚染度の低いタンクから順に放出してもいる。γ:『はんげんぱつ新聞』11月号で沿岸漁業応援団の
連載 原発の蔭と影第13回 九州電力と川内原発 天瀬 裕康 2023.11.16 連載 前回は玄海原発を主体のお話でしたが、長さの関系で電力の鬼・松永安左エ門(やすざえもん)(正式には安左衛門)のことは割愛しました。そこで今回は電力事業の発展と彼のことから始め、川内(せんだい)原発関連事項へと話を進めてまいりましょう。 松永安左エ門(1875~1971)は長崎県壱岐の裕福な
書評 偶像に血を通わせるノンフィクションの力〜上山明博著『牧野富太郎: 花と恋して九〇年』 村上 政彦 2023.11.09 会員の著書 『牧野富太郎: 花と恋して九〇年』上山明博著2023年3月14日発行青土社2,200円+税 萩原朔太郎の友人がいった。「小説は、嘘を本当のようにいうことだろう」。彼は、友人の文学的知見の浅さを嘆いていった。「小説は、本当のことを嘘のようにいうものだ」。 本当のことを嘘のようにいう―
連載文士刮目 第30回 この世の中、み~んな平和な社会を願って生きている 伊神 権太(写真:パレスチナの俳人リタ・オデさんがガザの惨状を詠んだ英語俳句を寄せた(10月18日付中日新聞)) 2023.11.02 連載 Gaza`s child - looking for her dollamong the ruins(人形を探す瓦礫の子の哀し)=10月18日付中日新聞朝刊 文士刮目も今回が30回。我ながら、よくぞ、ここまで続いたものだなと思っている。当初はまだ健在だった亡き妻(伊神舞子)の助言
書評 アジアに生きる〜村上政彦著『結交姉妹』 上山 明博 2023.10.26 会員の著書 『結交姉妹』村上政彦著2022年8月30日発行鳥影社1,600円+税 文字を用いることを許されなかった女性たちがいたことを、浅学をさらすようだが私はこの本を読んではじめて知った。 中国湖南省江永県の一部の地域に、女性が文字を用いることを良しとしない特異な風習があった。そのため、そ
連載 故郷福島の復興に想う 第12回 ――福島県立双葉高校創立100周年記念 谷本 多美子(アイキャッチ画像 双葉高校の現在) 2023.10.26 連載 昨年、母校福島県立双葉高校の後輩から「来年は母校創立100周年記念祝賀会を予定しているから、ぜひ出席を」と連絡をもらった。「万障繰り合わせて参加します」とそのときは答えていた。後輩は母校の同窓会本部の会長でもあり、退職前の三年間は母校の校長でもあった。2011年3月11日から、母校は立ち入ること
講演とシンポジウム「ウクライナの核危機――林京子を読む」報告 文学者たちの眼差し 村上 政彦 2023.10.19 イベント その眼差しは、常人の眼差しと、どう違うのだろうか? 2月23日に神奈川近代文学館で催された講演とシンポジウム「ウクライナの核危機――林京子を読む」を振り返ってみたい。 当日、横浜は青空が広がっていて、海も穏やかに凪いでいた。神奈川近代文学館は港の見える丘公園の中にある、静かな佇まいの施設だった
連載 原発の蔭と影第12回 九州電力と玄海原発 天瀬 裕康 2023.10.19 連載 しばらく休んでいた電力会社と原発の話に戻しましょう。 北海道から始め中部電力まで下がってきましたが、関西電力は3回ほど書きましたので四国を予定したところ、これも「会員の原稿」として「瀬戸内海を死の海にするな! 伊方原発の場合」を書いておりました。広島の中国電力は少し詳しく書きたいので後に回し、九