

げんしのし39
森川 雅美
醜い醜い顔を持っている土壌に深深と拡がる醜い醜い、
内臓から絞り出す痛みのため数える緩い結び目を包み、
醜い醜い顔を持っている誰にもいえない青空から柔い、
流れになるまで次次と溢れ出す血管の奥の歪みを解き、
醜い醜い顔を持っている掠れる後姿へと引き継ぐ儚い、
影がいくつも過ぎる胃壁の川辺に沿って少しずつ散り、
醜い醜い顔を持っている薄い掌でなぞる山肌まで古い、
細胞の積み重なるより奥から覗く静かな眼から吊るし、
醜い醜い顔を持っている中空の相似形を背骨へと伝い、
穏やかな記憶に染入る細細と震える肌まで微風に満ち、
醜い醜い顔を持っている内から薄く色褪せる醜い醜い、
傷口から湧き出る奥底までも酸蝕される血管の襞襞に、
醜い醜い顔を持っている忘却を語るなら深く滲む粗い、
光に感光する記録に記されない脆い平地の指先を囲み、
醜い醜い顔を持っている青空の長長とした分岐を纏い、
誰にも咎められずかたかたと破水する襤褸切れに続き、
醜い醜い顔を持っている長長と続く父祖の片側は脆い、
方角にたたら踏む足裏の長く歩くために少しずつ語り、
醜い醜い顔を持っている同胞たちの蛇行する列の拙い、
地脈を辿る薄寒い足先から膨張する暗い空の色を晒し、
醜い醜い顔を持っている岩から次次と溢れる醜い醜い、
指先の地面を深くまで乱し中心から解れない塊を放ち、
醜い醜い顔を持っている風向きの傷んだ細胞へと狂い、
深深と汚濁する体内の隅隅へ循環するぬかるむ流れに、