瀬戸内海を死の海にするな! 伊方原発の場合 2021.11.12 天瀬裕康 2021年11月4日、四国電力株式会社(以下、四電と略)の伊方(いかた)原発3号機の運転差し止めの仮処分申請が、広島地裁で却下され運転が認められました。仮処分とは、長い裁判手続きが終わるまでの仮の措置のことです。 瀬戸内海に面した愛媛県西端のこの原発は、私が住んでいる広島県沿岸部西南端の大竹市か
第6回 新しい時代とは。忘れないで、思いやりの心 2021.11.01 連載 最近ことあるごとに叫ばれる。新しい時代って。何か。 昨年4月7日に東京、神奈川、埼玉など七都府県に最初に出されて以降、繰り返し全国各地で出されてきた新型コロナウイルスの感染化拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され皆さん、誰もがホッとされたのでは。時を同じくして岸田文雄第百代首相(自民党総裁)が誕生
首相の核観とブレを嘆く 2021.10.14 天瀬裕康 2021(令和3)年10月14日、もう秋の真ん中なのに厳しすぎる残暑の続く午後、衆議院は本会議で解散され、その後の臨時閣議で衆院選の日程が、19日公示・31日投開票と決まりました。 私は選挙運動をするつもりはありません。久しぶりに総理大臣が出たということで、広島の街はなにかとお祝いムードですが、
第5回「脱炭素化」への取り組み 出来ることから始めよう 2021.10.01 連載 今回は人類にとっての最大テーマ、脱炭素化社会実現への私たちの取り組みについて。このところ、世界中で2050年の「実質ゼロ」、脱炭素社会をめざし、2030年に実現のめどをつけようとの動きが広がりつつあります。日本でも菅義偉首相が昨年10月の所信表明演説で2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにす
反核の児童文学作家・那須正幹氏への悼辞 2021.09.10 天瀬裕康 反核・反戦の児童文学者で作家の那須正幹(なす・まさもと)氏が、去る7月22日、自宅のある山口県防府市の病院において、肺気腫で逝去されました。享年79歳。 那須氏は1942年、広島市生まれ。3歳の時、爆心地から3キロ地点の広島市庚午北町(現・西区)に在った自宅で、母親の背中に負ぶさったまま被爆しま
第4回 守ろう、世界の子どもたち 2021.09.02 連載 このごろ人間にとって真の豊かさとは何だろう、とつくづく思います。SDGs(エス・ディー・ジーズ)。「貧困をなくし、飢餓を撲滅して全ての人に健康と福祉を」といった国連が掲げる持続可能な17の開発目標を全てクリアすれば、それに越したことはないのですが。言うは易く行うは難しとは、このこと。では、どうす
第3回 東京五輪と感染拡大 原発と原爆投下 2021.08.01 連載 若者たちよ 君たちは 平和がどんなに尊いか あなたたちは平和がどんなに幸せかを もっともっと知ってほしい そして語りついでほしい…… 地球に丸い輪がまわる まわれまわれまわれ 緑の地球よ まわれまわれまわれ まわれ 平和の地球よ いつまでも 以上は私がかつて乗船したピースボートの船上で開
岩崎雅典氏を悼む 2021.07.24 NEWS また脱原発社会をめざす同志で、我らが友人であるドキュメンタリー映画監督・岩崎雅典氏が、七月十八日、亡くなった。群像舎代表。享年八十一歳。 二〇一一年三・一一福島原発事故の後、放射能汚染地域に、カメラマン明石太郎氏らとともに毎年のように踏み込み、被曝した生きものたちを記録し続けた。その遺作ともなっ
五輪・国策・避難者 2021.07.10 天瀬裕康 オリンピック・パラリンピックが間近に迫り、胸をときめかせ待っておられる方も多いことでしょう。 私はどちらかと言えば、最初から反対のほうでした。特定の政党の政策を支持しているわけではありません。コロナ禍が再び大きな拡がりを見せようとしているのに、という懸念はありました。福島の原発事故からの修復が軌
第2回 汚染処理水の海洋投棄 2021.07.01 連載 国連が掲げる持続可能な開発目標SDGs(エス・ディー・ジーズ)に沿った幸せな社会。これからを生きる私たちに必要なもの。それは美しい空と山、海、川に囲まれた環境に違いありません。あぁ~、それなのに、です。3・11東日本大震災の発生と同時に起きた福島第一原発事故のその後はといえば、です。除染廃棄物が