詩 プーチン殿とご一統へ 天瀬 裕康

プーチン殿とご一統へ
                             天瀬裕康
ロシア軍がウクライナに突如として攻め込んだのは たしか
二〇二二年北京冬季オリンピック直後で パラリンピックの直前
突然だったので驚きましたが 貴殿たちは言うかもしれません
チェチェン紛争以来 ジョージアやクリミアの先例もあるし
大騒ぎすることはない 悪いのはウクライナやNATOだよ と 

独裁国家の要人たちは 独裁者が好む情報しか報告しませんから 
もしかしたら貴殿には 事実そのままの情報が伝わっていないのでは?
いちど下された決断は 国内の誰も止めることができないので
これ程の破壊も殺戮も 平気で行われ ウクライナがしたのだと宣伝
化学兵器や細菌兵器も ウクライナとアメリカが計画しているという

貴殿はしばしば核使用をちらつかせ 西側諸国を脅してきました
二〇〇八年に貴殿は「核を持たない国は、主権国家の名に値しない」
と言い切ったそうですね 対独戦勝記念日のテレビの中で貴殿の後ろに
鞄を持った人がいましたが 核攻撃のボタンが入っているのでしょうね
何処でも何時でも核のボタンを押してやるぞ という姿勢はアメリカも
核兵器禁止条約が発効したのは二〇二一年 時代の趨勢に抗してもダメ
被爆地広島などでも抗議の声が挙がり 世界に広がりました

領土を拡張した女大帝エカテリーナⅡ世を 貴殿は崇拝していますね
だけどあれは十八世紀のこと 今では暴力で領土を奪うのは違法行為
価値観の相違だけでは済みません 貴殿たちのしているのはみな犯罪
「子どもや女を返せ 工場を返せ 黄色い麦畑を返せ 青い空を返せ」
核攻撃の可否も裁判で争ったら! プーチン殿とご一統の皆さん

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