連載自由詩 げんしのし34 森川 雅美

げんしのし34 森川 雅美

丁寧に洗われた骨に似た小さな境界を越える緩やかな、
生命の傷から溢れる深い流れの見えない彼方に続いた、
重なる消えかけた声に訪れる思いもよらぬ弱い光なら、
生命の傷から溢れる深い流れの僅かな起伏の滑らかさ、
を孕む弱まる祈りの素形になる堆積物のより深い層か、
生命の傷から溢れる深い流れの長長ぶら下がる断崖や、
丁寧に洗われた骨に似た小さな境界を越える緩やかな、
生命の傷から溢れる深い流れのより深い方から溢れた、
懐かしい響きに揺すられるもはや確かでない歩幅なら、
生命の傷から溢れる深い流れの途切れるより早い重さ、
に傾く日日の足元へ溜まる思い出の断片を繋ぐ指先か、
生命の傷から溢れる深い流れの接ぎ足される細い血や、
丁寧に洗われた骨に似た小さな境界を越える緩やかな、
生命の傷から溢れる深い流れの躓く足の先から零れた、
小さな耳の奥に留まる鳥のさえずりや風の過る音なら、
生命の傷から溢れる深い流れの煌めく狭間の柔らかさ、
へ浮かぶ脈の不在より儚い掴み損ねた丘陵の拡がりか、
生命の傷から溢れる深い流れの底に盛り上がる水泡や、
丁寧に洗われた骨に似た小さな境界を越える緩やかな、
生命の傷から溢れる深い流れの見えない方角に映った、
涼しい顔を繙く遠くへ隆起する土壌に弾ける分裂なら、
生命の傷から溢れる深い流れの次次に現れる光る硬さ、
の隆起に似たうすく透ける血管への方角に開く温度か、
生命の傷から溢れる深い流れの少しずつ解れる河口や、

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