

連載自由詩 げんしのし38 森川 雅美
より暗い水の埋もれていく綴られない狭間に奥底から、
醜い醜い顔を持っている醜い醜い手足を持っていると、
滲みだす汚れた土地に伸びていく影へと長く干からび、
醜い醜い顔を持っている風の吹きすぎていく悲しみと、
弱る遺伝子の端に淀む先へ散り散りになる水辺に集う、
醜い醜い顔を持っている陽の射す血へ蛇行する増殖と、
風化していく記憶の片隅に淀む平らかな土地まで縮れ、
醜い醜い顔を持っている臓器の襞襞に滲みていく音と、
途切れる道筋からさらに奥へと摘出する知らない掌の
醜い醜い顔を持っている段差に躓きつつ数える隆起と、
移ろう水脈の鼓動まで繫がる微細な粒粒を絡める舌や、
醜い醜い顔を持っている醜い醜い心臓を持っていると、
さらに啄まれる土壌からにじみ出る叫びの残響を解き、
醜い醜い顔を持っている海岸線に蝕まれる臓腑の影と、
零れ落ちる微かに記憶する陽だまりの温みに浸される、
醜い醜い顔を持っている遠い父祖たちの扁平な足裏と、
陽の弱く射す脳内から細く延長する信号を歪んで抱え、
醜い醜い顔を持っている忘却できない最後の思い出と、
遠くから眺める優し気な顔へ傾く川の畔に兆す反射を、
醜い醜い顔を持っている群の最後に並ぶ汚れた足首と、
柔らかく食む癒えない肺胞まで長く伸びる街道の歪な、
醜い醜い顔を持っている醜い醜い境界を持っていると、
果てしなく綴られる古い遺伝子の欠落へと無様に淀み、
醜い醜い顔を持っている相似形に上書く癒えない舌と、