北陸地方の電力事情 天瀬 裕康 2022.08.11 北陸地方といえば、普通は福井・石川・富山・新潟四県の総称ですが、奇妙なことがいろいろあります。福井県は主に北陸電力のエリアですが、前回述べた西の方は関西電力の範囲です。 北陸電力 Hokuriku Electric Power Company は富山市牛島町に本店を置く電力会社で、略称は「北電」
詩 プーチン殿とご一統へ 天瀬 裕康 2022.07.01 プーチン殿とご一統へ 天瀬裕康ロシア軍がウクライナに突如として攻め込んだのは たしか二〇二二年北京冬季オリンピック直後で パラリンピックの直前突然だったので驚きましたが 貴殿たちは言うかもしれませんチェチェン紛争以来 ジョージアやクリミアの先
原発「グリーン認定」の波紋と今後 2022.02.24 今回は関電の続き②大飯原発をお届けする積りでしたが、表題の件が気になるので予定を変更させて頂きます。 原子力発電が「クリーン(きれいな)エネルギーだ」という宣伝は、日本に原子力発電所が林立しだした1970年代からありまして、「原発は生活を豊かにするエネルギーだ」というバラ色の夢がばら撒かれました
関電の黒いもろもろ ①美浜原発 2022.01.26 前回は福井県内にある日本原電源について述べましたが、福井県内には関西電力の原発が三カ所に立地しています。美浜、大飯、高浜の三カ所で、商業運転を始めたのは美浜 が最も早いく、1970年11月28日です。三つの中で早いだけではなく、日本の電力会社の中で最初の原子力発電所だったのです。 これには関電
日本原子力発電(原電)の欺瞞癖 2021.12.16 原子力を利用するさいの安全を確保する原子力規制委員会は、去る8月18日の定例会合で、敦賀(つるが)2号機再稼動の前提となる、審査の中断を決めました。審査資料に不適切な書換えがあったからです。 福井県敦賀市にある2号機原子炉建屋直下の断層が、活断層か否かは大きな焦点でした。若狭湾・敦賀湾の浦底断層
瀬戸内海を死の海にするな! 伊方原発の場合 2021.11.12 2021年11月4日、四国電力株式会社(以下、四電と略)の伊方(いかた)原発3号機の運転差し止めの仮処分申請が、広島地裁で却下され運転が認められました。仮処分とは、長い裁判手続きが終わるまでの仮の措置のことです。 瀬戸内海に面した愛媛県西端のこの原発は、私が住んでいる広島県沿岸部西南端の大竹市か
首相の核観とブレを嘆く 2021.10.14 2021(令和3)年10月14日、もう秋の真ん中なのに厳しすぎる残暑の続く午後、衆議院は本会議で解散され、その後の臨時閣議で衆院選の日程が、19日公示・31日投開票と決まりました。 私は選挙運動をするつもりはありません。久しぶりに総理大臣が出たということで、広島の街はなにかとお祝いムードですが、
反核の児童文学作家・那須正幹氏への悼辞 2021.09.10 反核・反戦の児童文学者で作家の那須正幹(なす・まさもと)氏が、去る7月22日、自宅のある山口県防府市の病院において、肺気腫で逝去されました。享年79歳。 那須氏は1942年、広島市生まれ。3歳の時、爆心地から3キロ地点の広島市庚午北町(現・西区)に在った自宅で、母親の背中に負ぶさったまま被爆しま
五輪・国策・避難者 2021.07.10 オリンピック・パラリンピックが間近に迫り、胸をときめかせ待っておられる方も多いことでしょう。 私はどちらかと言えば、最初から反対のほうでした。特定の政党の政策を支持しているわけではありません。コロナ禍が再び大きな拡がりを見せようとしているのに、という懸念はありました。福島の原発事故からの修復が軌
文学大賞受賞作品 読後感 2021.05.12 〈フィクション〉 文学大賞に大きな反響と多くの称賛がありましたこと、大慶至極に存じます。私も蔭ながら拝読しましたので、受賞されたフィクション三篇を初版の新しい方から順に並べて、若干の感想を述べさせて頂きましょう。 谷賢一の戯曲『福島三部作』は、2019年11月、(有)而立書房から出版されました。