連載文士刮目第47回【気楽に10万円なんて 首相商品券に異議あり 伊神権太(写真は、3月19日付の中日新聞1面の<言の葉>とガザ攻撃再開の記事】

 東日本大震災と東電福島第1原発事故から14年がたった2025年3月。旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)に対する東京地裁の解散命令やイスラエル軍によるガザへの攻撃再開、岩手県大船渡市、さらには岡山市や愛媛県今治市でも燃え続けた山火事、米トランプ大統領による日本を含む輸入自動車に対する25%の追加関税布告、死者1700人を越すミャンマーの大地震など。世界各地で不幸な出来事が相次いで起きた1カ月でした。デ、今回は3月19日付中日新聞の1面題字横の囲み記事‣言の葉に次のような記事が掲載されていたのでこの問題について考えたく思います。さてその【言の葉】ですが、どんなことが書かれていたのか。その内容は次のようなものでした。

【言の葉 苦しい立場の人に思いを巡らせて政治ができる人なのか。自らを省みてほしい石破首相の10万円商品券問題について、抗がん剤治療を続ける愛知県江南市の加藤美津子さん 33面】とありました。
 デ、33面(社会面)を開いてみますと。ありました。ありました。【気軽に10万円
なんて 首相商品券に有権者憤り】といった見出しが、です。そして。この面では読者の
憤りの声が相次いで紹介されていました。次のとおりです。
「私には簡単に出せる金額ではない」「一般常識とかけ離れている」「10万円を気軽に配るのは国民の感覚との違いを感じる」「(石破首相には)外交や公務員の給与引き上げなどで期待していただけに残念。アドバイスできる気の回る側近はいないのか」
 さらに「ばれなければ良いと思っていたのか」「10万円があれば、これからの教育費に充てることができるのに」「治療費の負担が重く、生活に悩んでいる患者は多い。苦しい立場の人に思いを巡らせて政治ができる人なのか。自らを省みてほしい」。
 そして。くだんの加藤さんは「(現在は高額療養費制度を利用し、毎月約4万5千円近くを自己負担しながら抗がん剤治療を続けることもあって)庶民感覚のある人だと思っていただけに残念。お土産で10万円の商品券を配るなんて、一般常識とかけ離れている」
と憤る。まだある。「うちの年間の利益は首相が配った10万円にもならない。一般市民の感覚からしてありえない」(岐阜県瑞穂市で柿などを栽培する兼業農家の女性)などである。

 この商品券騒ぎ。その後の各社の報道によれば、自民党の岸田文雄前首相も2022年に首相公邸で開いた政務官との会食に合わせ、岸田氏の事務所が10万円分の商品券を配ったことが判明。安倍晋三元首相も在任中に開いた会食に際し、5万円分や10万円分の金券を手渡していた。どうやら、歴代首相の慣例になっていた疑いも持たれているという。なんたることか、と私は腹立たしくさえなってきた。

―そして。それにしても、だ。もらう方ももらう方だ。国会議員の感覚そのものが〝金〟にまみれ、私たち庶民とはずれている。いや、マヒしているのである。そこで私は、あえてこう訴えたい。「あなたたちは月々、高額の議員給与(歳費)をもらっているではありませんか」と、だ
。それとも今回の商品券配布は、もしかしたら「新人国会議員に対する激励金だった?それでは、一般国民の納得がいかないのは当然です。これでは日本の政治が笑われます。

 ついでながら過去4年間に国会で問題になったお金がらみの事案は▼国会議員に毎月100万円支給する調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費=文通費)▼自民党派閥の政治資金パーティー裏金▼政党が議員個人に支給する政策活動費…どれも議員が使途を公開せずに何にでも使えるお金だそうです。ほかに内閣官房報償費(機密費)が2025年度予算案に例年と同額の12億3000万円余計上されている、とのこと。なんだかカネにまみれた政界が浮かび上がってきますよね。こんなことでは。国民のための政治だなんてちゃんちゃらおかしい。なぜだか、遠い昔の昭和時代におにぎりに千円札をはさんで有権者に渡して逮捕された町議さんの顔が浮かび上がってきます。こちらの方がより切実感がありました。
 政治家たるもの。清く明るく正しくありたいものです。(2024/4/4)

関連記事

最近の記事new

  1. 連載文士刮目第47回【気楽に10万円なんて 首相商品券に異議あり 伊神権太(写真は、3月19日付の中日新聞1面の<言の葉>とガザ攻撃再開の記事】

  2. 連載 故郷福島の復興に想う 第20回――営農 谷本 多美子(アイキャッチ画像 原発事故により原町区に移転した双葉町玉野家の墓地)

  3. 隔月連載 げんぱつあくぎょうはなし 第15回 西尾 漠 (アイキャッチ画像撮影=片岡遼平)

TOP