連載 原発の蔭と影第17回 電力の官営・軍営を経て 天瀬 裕康 2024.03.14 天瀬裕康「原発の影と陰」 これまでに述べてきたように明治から大正にかけて、日本各地で電力会社の設立が相次いで起こりましたが、関東大震災を契機として電力会社の統合がすすみ、五大電力と呼ばれた東京電灯、東邦電力、大同電力、宇治川電気、日本電力の5社に収斂していきました。 しかし前回も触れたように、1939年の国家総動員法によ
書評 文学という水先案内人~村上政彦著「ぶら〜り 文学の旅」 広谷 鏡子 2024.02.29 書評 『ぶら~り文学の旅 』村上政彦著2023年1月31日発行鳳書院1,500円+税 コロナ禍は多くの不自由を世界中の人たちに強いたが、その一つは“旅”であったろう。表面上はコロナが明けたかに見えるこの一年ほどの間、旅を封印されたストレスが猛烈な勢いで、各地で発散されているのをみればわか
連載文士刮目 第34回 能登のみなさん「夢と希望をあきらめないで!」 伊神 権太(写真 人の世には日々、新しいニュースがとびこんでくる=2月23日付新聞各紙) 2024.02.29 伊神権太「文士刮目」 このところは昨年暮れから、ことし初めにかけ国内外で表面化、発生した事件や各種不祥事のたぐい、さらには元日早々に能登半島で起きた最大震度7に及んだ地震災害など数々の不幸に思いを巡らしています。一体全体、なぜこんなにも多くの不幸が束になって人間社会を襲ってくるのか。そんなことを思うにつけ、悲しさが止
連載 故郷福島の復興に想う 第15回――神奈川避難者と共に歩む会に参加して 谷本 多美子(アイキャッチ画像 歩む会談話室) 2024.02.22 谷本多美子「故郷福島の復興に想う」 2024年2月3日節分の日、横浜市中区の波止場会館で行われた「神奈川避難者とともに歩む会」のイベントに参加した。筆者の母と妹も神奈川に避難していたのだが、二人の体調不良と、彼女たちのケアを筆者一人で担っていたために、精神的にも余裕がなく、一度も参加できずに今日まできてしまった。その母も亡
福島の郷土の歴史を残すために 野武 由佳璃 2024.02.22 会員の原稿 麗らかや潮騒を聴く空貝(うつせがい) 2019年(平成31年)3月9日の朝日新聞の"ひと"という欄が気になって切り抜きをした。 福島第一原発周辺の郷土史を編む歴史学者西村慎太郎氏の話題である。 彼は国文学研究資料館(東京都)の准教授で専門が日本近代史である。 著書に『大字誌浪江町権
連載 原発の蔭と影第16回 電車の発展と発電所 天瀬 裕康 2024.02.15 天瀬裕康「原発の影と陰」 能登半島地震に際し、やはり志賀原発は問題がいろいろ出てきつつありますが、他日、改めて検討することにして、広島地方の電気・電力事情を調べさせて頂きましょう。 文明開化の明治時代に、明るさと便利さの点でガス灯に勝った電気ですが、乗り物の動力としても実力を発揮するようになります。エレベーターや