日録 故若松丈太郎さんに 2022.02.27 森川雅美 いつまでも静かに続く山脈のいつまでも静かに鼓動する海原のだれもが受け入れたのではなかったにせよ人の営みであるならば佇む背中は微動もしないで中天を見上げ生きようが下手な生きものらしい積み上げられる悲しみと燃えつづける塔の棺に晒される土地はそれぞれの思いをかかえて重
日録 汚染水海洋放出と原発再稼働を憂いて 2022.02.27 森川雅美 海の奥にまで広がる私たちの悲しみであるなら囁かれる魂の痕跡のうすい先端を誰が掬うのかと跳ねる方角に晒され散りいく水際まで破片が散りばめられきらきら洗われる取り出されないまま奇形になる意識に呼ばれ続ける残骸の不明になる切口にゆがみ稼働されるいくつもの腫瘍に寄生し拡がる
日録 十年目の3・11に 2022.02.27 森川雅美 今年の野原を歩く十年の時の狭間だからまだ肉の残る語りきれない消えた日の時に夢で会うことはありますがもはや帰ることはないので繰り返しを綴る時間のための流れた手のひらの市街地に生していくものたちを繋ぎすでに多くの新しい人と出会った私の場所だと呟く誰かの風と共に鼓
脱原発社会をめざす文学者の会「黒田杏子特選俳句作品」 2022.02.25 NEWS 『永瀬十悟句集 三日月湖』 永瀬十悟 コールサック社 2018年永瀬十悟 来年創刊百年を迎える福島県須賀川市の俳誌「桔槹(きっこう)」同人。若くして句作の道に入り、高校生達を俳句の道に導き、「原発」と人間を句作を通して考え続けてきている。「福島県文学賞」俳句部門の選者、「福島民報」俳壇の選
「脱原発社会をめざす文学者の会」文学大賞決定 2022.02.25 NEWS 東日本大震災から十年。日本の蒙った三度目の原子力災からも十年。この間、果敢に、言葉を信じ、文学の力で、この災厄と向き合った表現者たちがいた。私たちは、その試みを顕彰したいと思い、ささやかながら文学賞を創設した。『脱原発社会をめざす文学者の会』文学大賞である。もとより、原子力災と取り組んだ
原発「グリーン認定」の波紋と今後 2022.02.24 天瀬裕康 今回は関電の続き②大飯原発をお届けする積りでしたが、表題の件が気になるので予定を変更させて頂きます。 原子力発電が「クリーン(きれいな)エネルギーだ」という宣伝は、日本に原子力発電所が林立しだした1970年代からありまして、「原発は生活を豊かにするエネルギーだ」というバラ色の夢がばら撒かれました
第9回 忘れない 忘れられない 2022.02.01 連載 1月17日。6434人の命が犠牲となった1995年の阪神大震災の発生から27年となり私自身、当時ガレキの山を縫うようにしてバスと船、徒歩で廃墟の町と化した傷だらけの現場を歩いて回ったことを思い出します。その被災地でことしは新型コロナウイルスの感染対策でマスクをした市民らが各地で開かれた追悼行事に
関電の黒いもろもろ ①美浜原発 2022.01.26 天瀬裕康 前回は福井県内にある日本原電源について述べましたが、福井県内には関西電力の原発が三カ所に立地しています。美浜、大飯、高浜の三カ所で、商業運転を始めたのは美浜 が最も早いく、1970年11月28日です。三つの中で早いだけではなく、日本の電力会社の中で最初の原子力発電所だったのです。 これには関電
第8回 待つということ 夢と希望を求めて 2022.01.01 連載 新しい年が明けました。ことしは五黄の寅年で36年に一度の金運奇跡の年とかで、あやかりたい気持ちは同じかと思います。でも金運よりも、私たちにとって大切なことがあります。年の初めに当たって、それは努力をして【待つ】ということではないでしょうか。新しい夢と希望、期待に満ちた時代を共に待ってみようではあ